2004年4月19日月曜日


先進医工学研究機構発進!


 2004年4月19日、東北大学先進医工学研究機構の開所記念式典が行われました。
 我々と一緒に六大学共同で波動型人工心臓の開発研究プロジェクトを行ってきたプロジェクトリーダーの井街宏教授を東京大学から招聘し、また玉井医学研究科長を機構長に、全学的な規模で医工学研究を推進します。
 我々と研究を一緒に行ってきた多くの共同研究者の先生方の研究がタスクテーマとして採択され、研究の場を東北大学内に持てることを大変幸福に思っています。
 
 ナノメディシン分野でナノセンサ、能動カテーテルを目指す芳賀洋一助教授は、医学部卒業後、我々の加齢研MEの大学院に入学、工学部の江刺 研究室でナノマシン・マイクロマシンの開発研究に従事してきました。医学部出身で大学院医学研究科に入学したはずなのに、何故か、医学博士ではなく工学博 士を取得する結果になり、工学部で講師としてがんばっていましたが、医工学研究機構の設置に伴って戻ってきてくれました。うちの人工心臓、人工心筋制御の ためのナノセンサシステムを試作してくれています。我々の研究室で行われた山羊を用いた動物実験でも、有効な性能が確認されており、実用化が期待されま す。

 生命機能科学分野の堀義生助教授は、ボストンでの再生医療研究の経験を生かして、消化管の再生などの研究を行っています。開発した人工食道は我々加齢研MEの実験室で山羊の食道と置換手術が行われ、水を飲み込めるところまで来ています。
 加齢研MEの人工食道プロジェクトは、研究成果活用プラザ宮城の新規プロジェクトに採択され、億単位の予算で蠕動運動を行う人工食道の実用化を目指します。
 医工学研究機構の再生医療技術と、加齢研MEの人工臓器アクチュエータが技術が結婚して、臨床応用可能な人工食道の誕生が待ち望まれます。

 ナノメディシン分野の羅雲助教授の「人工括約筋」は、加齢研MEの人工心筋プロジェクトから派生しました。
 大腸癌の手術後は腹壁に人工肛門が増設される場合が多く、患者様のQOLを妨げます。
 羅助教授の人工括約筋は形状記憶合金を使ったシンプルな構造で排便をコントロールします。日本の人工臓器の研究は研究は進んでいても臨床応用の過程で欧米に遅れる問題が指摘されてきましたが、日本人工臓器学会ともタイアップしていち早い臨床を目指します。


  ナノメディシン分野長の井街宏教授は、東北大学もこれまで参画して共同研究を行ってきた六大学共同の波動型人工心臓プロジェクトを統括してきました。この 度、先進医工学連携機構が東北大学に設置されたことに伴って招聘され、東北大学に来てくださることになりました。波動型人工心臓は日本独自のアイデアで開 発された全く新しい人工心臓であり、回転運動を容積変化に変換する興味深いメカニズムを保持していますので、超小型軽量でありながら、無拍動流も拍動流も 作り出すことが可能です。
 今後とも、私ども加齢研MEと益々連携を深めて、波動型人工心臓の動物実験を益々精力的に進め、臨床前試験まで進展させる手はずになっています。
この他たくさんのプロジェクトが行われます。
東北大学発の新しい医療技術が、患者様の役に立つ日が近いことを願って研究を進めています。

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3rd Five Continent International Symposium on Cardiovascular Diseases

第三回五大陸
国際心臓血管病シンポジウム

   2004年4月16-19日、北京国際会議センターにおいて、第三回の五大陸国際心臓血管病シンポジウムが開催され、活発なディスカッションが行われました。
日本からも数人の研究者が招聘され講演を行いました。
 東北大学からは、加齢医学研究所の仁田新一客員教授が日本の人工心臓研究について紹介し、山家智之教授は東北大学で行われている21世紀COEプログラム、バイオナノテクノロジー基盤未来医工学について招待講演を行いました。
 特に若い外科研究者に、21世紀COEで行われている人工食道や人工括約筋の研究などについて関心を集め、好評を博しました。また新しい脈波伝播速度測定法CAVIシステムも注目されていました。
 本大会を主催した北京首都大学付属病院でもある安貞医院は、年間三千例の心臓血管外科手術を誇る北京随一の病院であり、北京で唯一心臓移植が行われている病院です。
 ただし、北京では経済的な事情で、移植待ちの患者も補助人工心臓を適応することができず、ブリッジ期間を待ちきれない患者も散見されています。
 日本の優れた人工心臓開発技術を導入することで、両国民のために医療レベル向上が期待されます。

 
 
              

2004年4月16日金曜日


第三回五大陸国際心血管病シンポジウム

3rd Five Continent International Symposium on Cardiovascular Diseases
image002.jpg 2004年4月16-19日、北京国際会議センターにおいて、第三回の五大陸国際心臓血管病シンポジウムが開催され、活発なディスカッションが行われました。
日本からも数人の研究者が招聘され講演を行いました。
東北大学からは、加齢医学研究所の仁田新一客員教授が日本の人工心臓研究について紹介し、山家智之教授は東北大学で行われている21世紀COEプログラム、バイオナノテクノロジー基盤未来医工学について招待講演を行いました。
特に若い外科研究者に、21世紀COEで行われている人工食道や人工括約筋の研究などについて関心を集め、好評を博しました。また新しい脈波伝播速度測定法CAVIシステムも注目されていました。
本大会を主催した北京首都大学付属病院でもある安貞医院は、年間三千例の心臓血管外科手術を誇る北京随一の病院であり、北京で唯一心臓移植が行われている病院です。
ただし、北京では経済的な事情で、移植待ちの患者も補助人工心臓を適応することができず、ブリッジ期間を待ちきれない患者も散見されています。
日本の優れた人工心臓開発技術を導入することで、両国民のために医療レベル向上が期待されます。