2014年4月30日水曜日

日本の高校生がEUと日本の医師免許を取る可能性


長年の共同研究者、チェコ共和国のマサリク大学チームと。
CAVIや脈波伝播速度の、国際共同研究をしている関係で、東北大の医学部とも、国際学術協定を結んでいますが、日本に来られたので、リハビリ科の上月教授と、国際交流課の周先生と

なんとまあ、今回は、日本人の高校生の募集関連で、関係省庁の官僚さんとお話をしに日本に来られたそうです
つまり、
日本の高校から、チェコの、このマサリク大学の医学部に進むと、EUの医師免許と、日本の医師免許の受験資格が取れるシステムを目指すようです
もちろん授業は英語で、英検1級程度以上の英語力はいるようです

産経新聞さんに出てるので、嘘八百ではなさそうですが、日本の高校を出たハンガリーの国立大学の医学部の留学生が、今年、ついにハンガリーの医師免許と、日本の! 医師免許を取ったのだそうです。七名卒業できて、ハンガリーの医師免許を取り、日本の医師免許を通ったのは4人のようでしたが

 http://sankei.jp.msn.com/economy/news/140319/prl14031919580127-n1.htm

いや、びっくりした
広告は見てましたが、実際に医師免許取った人の話を聞いたことがないので、話半分で、信じてなかったんでしたが、成功例が出てみると、ヨーロッパは医師免許共通なので、どこの国の医学部を出ても、ヨーロッパ共通の医師免許なのでした。

んで、日本でも、ヨーロッパの医師免許取得後、日本の国家試験のプレ試験を受けてから、医師国家試験の受験資格を認める可能性を残すことにしたそうで、マサリク大学も、このシステムに乗るようです

http://www.czech-medical.org/

ちなみに、学費は、一生懸命、上月先生と、 換算してみると、年間、百数十万前後なので、(円高円安に依存)、東北大などと比べると、maybe twiceですが、私立医大よりは、どこと比べても安いかな。
(滞在費、旅費は別ですよ)
国立大学なので、チェコの国民には、freeだそうですが、日本からいけば、さすがに学費をとるようです。まあ、向こうの国税で運営される大学ですからね。
あと、チェコ語国民でも、卒業までたどり着けるのは、六割くらいだそうで、淘汰される率も高いようです。

国際化の時代、
医学知識は国際共通ですから、だんだん医師免許も国際化されていくのかもしれません


Soska V, Dobsak P, Dusek L, Shirai K, Jarkovsky J, Novakova M, Brhel P, Stastna J, Fajkusova L, Freiberger T, Yambe T.
J Atheroscler Thromb. 2012;19(5):453-61. Epub 2012 Jan 12.


1990年、大学院生だった私のチェコでの国際人工心臓シンポジウムでの写真です
当時は、共産圏の、「チェコスロバキア」の時代で、プルキンエ大学と言われていました(プルキンエ繊維のプルキンエ)
冷戦の時代は、東欧と呼ばれ、現在は、EUの中で、・・・、いや~時代は変われば変わるものです



2014年4月15日火曜日

マッコーリー大学と学術協定

豪州マッコーリー大学と加齢医学研究所の学術協定調印式。
豪先進医学研究院のfootte研究科長と、加齢医学研究所の川島隆太所長
マッコーリー大学は、世界で最初に患者に埋め込まれた遠心ポンプ型補助人工心臓、VentraAssistのインペラの流体力学の数理的設計開発で世界的に知られています
東北大学との国際共同研究で、世界の医学研究に貢献します

2014年4月7日月曜日

今日から1年生

新入学の大学院学生さんの最初のゼミ
自己紹介代わりに、自分の学部卒業論文を紹介していただきました
違う分野で勉強になるところもあります

2014年4月4日金曜日

ううん・・・顧問の歳かあ。

ハートカンファレンス
ご開業の先生も交えて勉強会。

世話人とか会長とかはやったことあるけど、顧問って初めてだなあ
そ~ゆ~歳か

心不全の患者さん、心不全自体でも亡くなりますが、突然死が多いんですよね
こ~ゆ~とき、人工心臓が活躍できます

在宅見取り用の心電図

父の患者さんが、具合悪くなって、突然往診を頼まれたりします
行ってみると、
ノロ?か、ロタ?で、ゲロゲロして食べられないので往診してほしい一人暮らしのおばあちゃん
ヘルパーさんが来るまで何もできない・・・と。
一応ちょっと点滴して帰りましたがこういうご高齢の方、どんどん増えています
在宅で看取らなくてはならない方も多くなることでしょう

で、在宅の見守りようの心電図を開発しています
1週間装着可能なので、ゆっくり見守ることもできますし
危なくなったら駆けつけられます

明日、健康フェアでお話しします
http://genki-kenko.net/


とっても準備中
んで、明日の会場



2014年4月3日木曜日

カオスの起源under construction


はじめに


一種の「複雑系」とも考える事ができる生命現象を、システム全体のダイナミクスに注目しながら解き明かすために、これまでに多くの挑戦が行われてきた。多くのフィードバックループを持つシステムの制御とコミュニケーションに注目したWienerは、サイバネティクスの理論を考案して生命現象や社会現象をトータルシステムとして説明しようとした。またシステムの生み出すコミュニケーションなどの情報を定量化しようと言う試みは、Shannonによる情報量理論として結実しているが、他の分野へのアプリケーションは意味論との絡みで批判も受けている。70年代にはいってPrigogineの散逸構造の理論が、ノーベル賞の対象になっているし、カタストロフの理論は、構造安定性を持つ力学系の微分方程式から自然現象の不連続性を解き明かす魅力ある理論体系として注目され、形態形成の数学理論に関する多くの研究が行われた。最近では80年代から90年代を通じてカオス理論やフラクタル理論の多くの分野へのアプリケーションが試みられてきた。カオスやフラクタルが他の理論と比較し 垂「のは、その遍在制であり、自然の構造のかなりの部分にフラクタル的な構築が観察されるし、時系列信号の多くの局面でカオス的な挙動が顔を出すという報告も行われている。かかる点から、映画や小説等エンターテインメントの素材としても好んで用いられる傾向にある。

 「カオス」という単語は、そもそもはリーとヨークの1975年の論文に由来しており、一般的には決定論的な方程式が生み出す不規則運動を示すが、この定義はある意味でかなり拡張されたもので、扱うモデルのクラスが異なれば、カオスの特徴付けもまた異なってくる。1次元の連続写像におけるカオスの特徴付けは、2次元カオスの特徴付けには不十分なこともあるし、保存系と散逸系ではまた異なってくる。カオスの定義が定まらない、と、いわれる理由は一つには、扱うモデルや対象の範囲が拡大していることもある。元々のカオスの問題に関する数学的対応は、シフト力学系が部分力学系として埋め込まれていることから、複雑な挙動の存在を証明しようとするものだった。これらの位相的カオスの存在を前提に、1980年代を通して複雑な挙動の観測可能性を考慮に入れた結果が提出されるようになってきた。

 一見して不連続的な挙動を示す心臓病やてんかん等における病態の変化に対しては、医学分野でも比較的早期からこれらの非線型力学を応用した理論の応用が試みられてきている。心電図や脳波等の生体の電気現象にカオス的なダイナミクスが存在する事は示唆されてから久しく、最近ではこれらの定量化による生体の非線型特性に基づいた新しい診断法の開発が注目されている。しかしながら、生体に観察されるカオス性の成因については多くの推測が行われているものの、定説がないのが現状である。特に循環動態においては心拍変動にも動脈圧の時系列曲線にもカオス性が認められるという報告があるが、心拍変動は直接的に動脈圧に影響するし、動脈圧は圧受容体を介して中枢から心拍変動に影響を与えているので、これらは相互に相関している。


これらの相互に複雑なフィードバックループを形成している一種の「複雑系」において、カオス性の成因を探るのは必ずしも簡単なことではない。
本研究ではかかる点を鑑み、心拍変動にも、また心臓の収縮性にも全くゆらぎを持たない循環系を、人工心臓を用いることによって作成し、心臓血管系のカオス的ダイナミクスの成因について追及する。更に、医学研究は臨床の現場に立ち返らなくては行けないという原点に返り、非線形ダイナミクスにおける情報の流れの概念や、カオス性の定量的評価の方法論を、臨床の現場にフィードバックし、新しい診断、治療の方法論の開発へむすびつけることが最終的な目標となる。