2005年7月19日火曜日

心停止下の無拍動人工心臓


心停止下の無拍動左心補助循環
EvaHeart動物実験


 東北大学では、日本中で開発された様々な人工心臓、人工内臓の動物実験が行われており、日本における様々な人工内臓開発におけるセンター的な役割を果たしています。
 北海道大学と慶応大学で開発されたバルボポンプや、東京大学で開発された波動ポンプ、早稲田大学で開発されたボルテックスポンプ、東京女子医科大学で開発されたEvaHeartなどの動物実験を行い、臨床への橋渡しを試みています。人工心臓だけでなく、人工括約筋や人工食道のような人工内臓の開発研究も行われています。
 最近、無拍動型の補助人工心臓の臨床応用が注目されています。スクリュー型の軸流ポンプや、回転型のロータリーポンプは既に欧米では臨床応用され、症例数を伸ばしています。
 日本でも、軸流ポンプとしては、北海道大学と慶応大学が協同でバルボポンプと言うシステム開発を試みていますし、回転型のポンプでもテルモのデュラハートはドイツで臨床応用され、サンメディカルのEvaHeartも国内での臨床試験体制に入りました。この他、東京医科歯科大学、茨城大学、産総研や国立循環器病センターなどでも、様々な無拍動ポンプシステムの開発が進められています。
 日本人は欧米人と比べて小柄なのですから、どうしても小型の補助人工心臓が必要です。
 こういう細かいものを作らせたら、本来なら日本の独壇場になるはずです。
 がんばれニッポン!
 補助人工心臓は本来、心臓に悪い方に埋め込まれるのわけですから、補助心臓で全身の循環を維持していても不幸にして致死的な不整脈を合併してしまう患者様も散見されます。 そこで東北大学では心停止下における補助循環の実験を 行ってきました。空気圧駆動型の補助人工心臓では、心停止状態でもある程度は左心補助人工心臓のみで循環が維持できることなどを研究してきました。 現在 は、国産の超小型ロータリーポンプとして注目されエバハートなどを用いて、例え心停止状態においても左心室の補助循環のみで全身の循環が維持できないか研 究を進めています。
 現在、エバハートの一例目の臨床例が成功裏に進んでいます。
 日本で開発された埋め込み型ロータリーポンプが日本で臨床応用されたのは初めてです。
 ROMの皆様も、開発中の人工内臓などのアイデアがありましたら、是非、東北大学との共同研究を進めましょう。東北大学では現在、医工連携や、産学共同研究を力強く進めており、加齢医学研究所は広く門戸を開いて、共同研究の扉を開けてお待ちしています。

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