2004年7月1日木曜日


2004年度 加齢研・先進医工学研究機構・工学部合同セミナー (ITEセミナー)プログラム

加齢医学研究所病態計測制御 山家智之
【日時】2004年7月1日(木) 13:00~18:00
【場所】加齢医学研究所大会議室
【研究概要発表順(案)】
  • 工学部(吉澤研究室・阿部研究室)
    • 吉澤
    • 杉田
    • Paul
    • Santos
    • Kenji
    • 小川
    • 沢田
    • 花岡
    • 鈴木
    • 岩本
    • Jeshua
    • 阿部(誠)
    • 佐藤(論文紹介)
    • 中沢(論文紹介)
    • 木下(論文紹介)
  • 先進医工学研究機構
    • 大寺
    • 稲垣(堀研究室)
    • 比嘉(羅研究室)
    • 瀧浦(井街研究室)
  • 加齢研(病態計測・臨床医工学)
    • 西條
    • 白石
    • 関根
    • 金野・桑山
  • 総括発言
(*)18:00より懇親会を予定しております(於加齢研大会議室)。
更新日時:2006/02/06 00:55:32

2004年4月19日月曜日


先進医工学研究機構発進!


 2004年4月19日、東北大学先進医工学研究機構の開所記念式典が行われました。
 我々と一緒に六大学共同で波動型人工心臓の開発研究プロジェクトを行ってきたプロジェクトリーダーの井街宏教授を東京大学から招聘し、また玉井医学研究科長を機構長に、全学的な規模で医工学研究を推進します。
 我々と研究を一緒に行ってきた多くの共同研究者の先生方の研究がタスクテーマとして採択され、研究の場を東北大学内に持てることを大変幸福に思っています。
 
 ナノメディシン分野でナノセンサ、能動カテーテルを目指す芳賀洋一助教授は、医学部卒業後、我々の加齢研MEの大学院に入学、工学部の江刺 研究室でナノマシン・マイクロマシンの開発研究に従事してきました。医学部出身で大学院医学研究科に入学したはずなのに、何故か、医学博士ではなく工学博 士を取得する結果になり、工学部で講師としてがんばっていましたが、医工学研究機構の設置に伴って戻ってきてくれました。うちの人工心臓、人工心筋制御の ためのナノセンサシステムを試作してくれています。我々の研究室で行われた山羊を用いた動物実験でも、有効な性能が確認されており、実用化が期待されま す。

 生命機能科学分野の堀義生助教授は、ボストンでの再生医療研究の経験を生かして、消化管の再生などの研究を行っています。開発した人工食道は我々加齢研MEの実験室で山羊の食道と置換手術が行われ、水を飲み込めるところまで来ています。
 加齢研MEの人工食道プロジェクトは、研究成果活用プラザ宮城の新規プロジェクトに採択され、億単位の予算で蠕動運動を行う人工食道の実用化を目指します。
 医工学研究機構の再生医療技術と、加齢研MEの人工臓器アクチュエータが技術が結婚して、臨床応用可能な人工食道の誕生が待ち望まれます。

 ナノメディシン分野の羅雲助教授の「人工括約筋」は、加齢研MEの人工心筋プロジェクトから派生しました。
 大腸癌の手術後は腹壁に人工肛門が増設される場合が多く、患者様のQOLを妨げます。
 羅助教授の人工括約筋は形状記憶合金を使ったシンプルな構造で排便をコントロールします。日本の人工臓器の研究は研究は進んでいても臨床応用の過程で欧米に遅れる問題が指摘されてきましたが、日本人工臓器学会ともタイアップしていち早い臨床を目指します。


  ナノメディシン分野長の井街宏教授は、東北大学もこれまで参画して共同研究を行ってきた六大学共同の波動型人工心臓プロジェクトを統括してきました。この 度、先進医工学連携機構が東北大学に設置されたことに伴って招聘され、東北大学に来てくださることになりました。波動型人工心臓は日本独自のアイデアで開 発された全く新しい人工心臓であり、回転運動を容積変化に変換する興味深いメカニズムを保持していますので、超小型軽量でありながら、無拍動流も拍動流も 作り出すことが可能です。
 今後とも、私ども加齢研MEと益々連携を深めて、波動型人工心臓の動物実験を益々精力的に進め、臨床前試験まで進展させる手はずになっています。
この他たくさんのプロジェクトが行われます。
東北大学発の新しい医療技術が、患者様の役に立つ日が近いことを願って研究を進めています。

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3rd Five Continent International Symposium on Cardiovascular Diseases

第三回五大陸
国際心臓血管病シンポジウム

   2004年4月16-19日、北京国際会議センターにおいて、第三回の五大陸国際心臓血管病シンポジウムが開催され、活発なディスカッションが行われました。
日本からも数人の研究者が招聘され講演を行いました。
 東北大学からは、加齢医学研究所の仁田新一客員教授が日本の人工心臓研究について紹介し、山家智之教授は東北大学で行われている21世紀COEプログラム、バイオナノテクノロジー基盤未来医工学について招待講演を行いました。
 特に若い外科研究者に、21世紀COEで行われている人工食道や人工括約筋の研究などについて関心を集め、好評を博しました。また新しい脈波伝播速度測定法CAVIシステムも注目されていました。
 本大会を主催した北京首都大学付属病院でもある安貞医院は、年間三千例の心臓血管外科手術を誇る北京随一の病院であり、北京で唯一心臓移植が行われている病院です。
 ただし、北京では経済的な事情で、移植待ちの患者も補助人工心臓を適応することができず、ブリッジ期間を待ちきれない患者も散見されています。
 日本の優れた人工心臓開発技術を導入することで、両国民のために医療レベル向上が期待されます。

 
 
              

2004年4月16日金曜日


第三回五大陸国際心血管病シンポジウム

3rd Five Continent International Symposium on Cardiovascular Diseases
image002.jpg 2004年4月16-19日、北京国際会議センターにおいて、第三回の五大陸国際心臓血管病シンポジウムが開催され、活発なディスカッションが行われました。
日本からも数人の研究者が招聘され講演を行いました。
東北大学からは、加齢医学研究所の仁田新一客員教授が日本の人工心臓研究について紹介し、山家智之教授は東北大学で行われている21世紀COEプログラム、バイオナノテクノロジー基盤未来医工学について招待講演を行いました。
特に若い外科研究者に、21世紀COEで行われている人工食道や人工括約筋の研究などについて関心を集め、好評を博しました。また新しい脈波伝播速度測定法CAVIシステムも注目されていました。
本大会を主催した北京首都大学付属病院でもある安貞医院は、年間三千例の心臓血管外科手術を誇る北京随一の病院であり、北京で唯一心臓移植が行われている病院です。
ただし、北京では経済的な事情で、移植待ちの患者も補助人工心臓を適応することができず、ブリッジ期間を待ちきれない患者も散見されています。
日本の優れた人工心臓開発技術を導入することで、両国民のために医療レベル向上が期待されます。

2003年10月30日木曜日

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医療ニュース

波打つ人工食道開発

 形状記憶合金を利用した人工食道を、東北大加齢医学研究所の山家智之助教授(人工臓器工学)らのグループが、東京都内の中小企業と協力して開発した。
 ヤギの体内に埋め込んだ動物実験では、食道本来の波打つような蠕動(ぜんどう)運動を確認した。仙台市で30日から3日間の日程で始まった日本人工臓器学会で発表する。
 山家助教授らが開発した人工食道は、高分子素材のチューブに、形状記憶合金のリングを10個ほど付けた。電流を流してリングを順番に収縮させることで、波打つ動きを再現できる。
 (2003年10月30日 読売新聞 無断転載禁止)

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2003年7月18日金曜日

2003HP


高次脳神経機能の非線形ダイナミクス解析

東北大学加齢医学研究所・未来科学技術共同研究開発センター
山家智之、川島隆太

緒言
ファミコン癲癇や、ポケモンショックの事件発生以来、人工の映像などによる視聴覚刺激が生体に与える悪影響について危惧されるようになり、厚生郵政通産などの官庁においても様々なプロジェクトチームが結成され、研究が進んでいる。
本研究では発想を変えてむしろ画像刺激の持つ積極的な意義について検討するために、最近話題に上る「癒し系」の画像コンテンツに注目し、その生体に与える影響について、心拍変動による自律神経機能解析と脳血流及び脳組織内酸素飽和度の観点から検討を加えた。
対象と方法
健康なボランティアの学生二十例を対象に、拡大スクリーンにてヒーリングビデオコンテンツを視聴させ、心電図及び近赤外線モニタリングデバイス を用いて、心拍変動と脳組織内酸素飽和度を計測した。更に同じコンテンツをヘッドマウンティッドディスプレイを用いて視聴させ、ポジトロンCTにて脳局所 血流について検討を加えた。ヒーリングビデオコンテンツはテラウチマサト氏の「屋久島スライドショー」である。更に対象として、モザイク画像に、音楽を逆 転させた無意味でありながら光と音の刺激の絶対量は全く同じになるコンテンツを試作し、同様に視聴させ、安静時と比較検討を行った。
結果及び結論
いずれのコンテンツ視聴時にも癲癇発作や不整脈の発生は観察されず、有意の心拍数の変化も確認されなかった。心拍変動解析の結果、スペクトル解 析においてはLF成分、HF成分及びLF/HFでは、ばらつきが大きく有意差が確認されなかった。ボックスカウンティング法にてフラクタル時限解析を行っ たところ、対象の逆転画像刺激時に比較して、ヒーリングビデオコンテンツ視聴時においてフラクタル次元の増加が確認された。前頭葉における脳組織内酸素代 謝においては、スペクトル解析では有意の変動が観測できなかったが、アポロキシメトリーエントロピーの時間軸に沿った減少傾向が観測された。ポジトロン CTの画像では、安静時のサブトラクションでは後頭葉の血流増加が確認された。従ってヒーリングビデオコンテンツは心拍変動を支配する自律神経機能と脳血 流に有意の影響を与えている可能性が示唆されたものと考えられる。

2003年7月17日木曜日


 PWV : Pulse Wave Velocity

脈波伝搬速度(PWV)のHPへようこそ!


Its'new!
 baPWVの方法論が、Am J Hypertensionにアクセプトされました。
 第一回東北脈波情報研究会が開催され、盛会のうちに活発なディスカッションが行われました。
 東北大学とスモレンスクステートメディカルアカデミーが学術協定を締結、PWVの国際共同研究を行います


ハンバーガー?、お好きですか?、ケンタッキー?、お好きですか?
 本邦に置ける食生活は戦後大きな変貌を遂げています。
 粗食と言われた日本食から、欧米人並の肉食・乳製品を主体とした食事へ・・・
 最前線の医療機関である市中病院さんや開業医さんで外来をお手伝いしていても、大人のコレステロールはおろか、子供の高血圧、子供の動脈硬化の発症までを心配しなくてはならないのが、飽食の時代にある今の日本の状況です。
 さて、日本人に於いても急増している動脈硬化の「硬化!」とは?
 動脈硬化の「硬化」度。
 すなわち、動脈の血管壁の硬さを診療的に検出する指標が脈波伝搬速度(PWV)です。
 東北労災病院東北大学病院など、市内のいくつかの大きな病院では、このパラメータを応用して動脈硬化の定量診断を実施しています。
 宮城県内の病院や診療所、開業医の皆様と合同で、症例を持ち寄って臨床研究も精力的に邁進しています。


第1回東北脈波情報研究会 
2003年7月19日

代表世話人 伊藤貞嘉(東北大学大学院医学系研究科)
仁田新一(東北大学加齢医学研究所)

事務局 宗像正徳(東北労災病院循環器科)
山家智之(東北大学加齢医学研究所)


脈波伝搬速度(pulse wave velocity: PWV)

 小学校の算数の時間に、速さは、距離 割る 時間で計算されることを習います。
 従って、脈波の伝搬の速度も、測定部位の距離と波が伝わる時間で計算できることになります。
 右の図を見ましょう、心電図のR波発生の後、心音図に反映される心臓の収縮が惹起され、発生した脈波は、ある時間遅れた後に、右手に伝わり、更に時間が遅れて、右足にも伝搬されます。
 重要なのは、波の伝わる速さは、管が硬いほど、また、経が大きいほど、速いと言うことです。
 すなわち、脈波の伝搬速度には、血管の硬さと、血管の経が反映されることになります。
 「動脈硬化」と、言う字を改めて眺めてみましょう。
そう、動脈硬化とは、そもそも血管が硬くなる!、という解剖学的現象を言い表したのが原語でした。
 現在、心筋梗塞・脳卒中など、多くの成人病の諸悪の根元と言われる動脈硬化症の代表的な定量診断法が、脈波伝搬速度PWVです。
 このように重要な動脈硬化の定量的診断法が、非侵襲で、患者さんに全く負担をかけずに計測できることは、大きな福音と言えるでしょう。現在、このPWVは、学会でも注目されており、動脈硬化病変の予後予測の他、高血圧に伴う臓器障害の予測にも大きく役立っています。 
 最近、本邦では、日本コーリンやフクダ電子など様々な医療メーカーで、従来のように面倒な頸動脈の測定などを必要としない、簡便なPWV計測システムが市販されるようになり、一気に一般病院への普及が加速されました。

高血圧治療と脈波伝搬速度   その1その2

血管内皮研究とPWV



PWV検査装置
血圧脈波検査装置 form PWV/ABI (日本コーリン)
血圧脈波検査装置:Vesera VS-1000 (フクダ電子)