2014年10月11日土曜日

不安を抑えるうんち?


健康な腸内細菌を持つ人はストレスが少ない可能性?
:マウス研究


http://irorio.jp/sakiyama/20131128/91499/

健康な腸内細菌を持つ個体は、不安や心配などのストレスが少ないと発表された。どうやら腸内細菌は、われわれの思考にまで大きな影響を及ぼすらしい
 http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/1303/1303028.html

 研究者のRochellys Diaz Heijtz氏とThomas Neufeld氏は、腸内細菌を一掃したマウスの「不安のレベル」に大きな低下が見られたことを確認


Brain–Gut–Microbe Communication in Health and Disease
Sue Grenham,1 Gerard Clarke,1,2 John F. Cryan,1,3 and Timothy G. Dinan1,2,*
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Abstract
Bidirectional signalling between the gastrointestinal tract and the brain is regulated at neural, hormonal, and immunological levels. This construct is known as the brain–gut axis and is vital for maintaining homeostasis. Bacterial colonization of the intestine plays a major role in the post-natal development and maturation of the immune and endocrine systems. These processes are key factors underpinning central nervous system (CNS) signaling. Recent research advances have seen a tremendous improvement in our understanding of the scale, diversity, and importance of the gut microbiome. This has been reflected in the form of a revised nomenclature to the more inclusive brain–gut–enteric microbiota axis and a sustained research effort to establish how communication along this axis contributes to both normal and pathological conditions. In this review, we will briefly discuss the critical components of this axis and the methodological challenges that have been presented in attempts to define what constitutes a normal microbiota and chart its temporal development. Emphasis is placed on the new research narrative that confirms the critical influence of the microbiota on mood and behavior. Mechanistic insights are provided with examples of both neural and humoral routes through which these effects can be mediated. The evidence supporting a role for the enteric flora in brain–gut axis disorders is explored with the spotlight on the clinical relevance for irritable bowel syndrome, a stress-related functional gastrointestinal disorder. We also critically evaluate the therapeutic opportunities arising from this research and consider in particular whether targeting the microbiome might represent a valid strategy for the management of CNS disorders and ponder the pitfalls inherent in such an approach. Despite the considerable challenges that lie ahead, this is an exciting area of research and one that is destined to remain the center of focus for some time to come.

消化管と脳との間の双方向シグナリングは、神経、ホルモン、および免疫学的なレベルで制御されている。この構築物は、脳腸軸として知られており、恒常性を維持するために不可欠である。腸の細菌のコロニー形成は、免疫および内分泌系の出生後の発生および成熟に重要な役割を果たしている。これらのプロセスは、中枢神経系(CNS)のシグナル伝達を支える重要な要因である。最近の研究の進歩は、腸microbiomeの規模、多様性、および重要性の理解の大幅な改善を見てきました。これは、より包括的脳腸 - 腸内細菌叢軸に改訂された用語と、この軸に沿った通信は、両方の正常および病的条件に貢献する方法を確立するために、持続的な研究努力の形で反映されています。このレビューでは、簡単にこの軸の重要なコンポーネントと正常細菌叢を構成するものの定義とその時間的推移をグラフ化するための試みで提示された方法論的な課題について議論する。重点は、気分や行動上の微生物叢の重要な影響を確認する新しい研究物語に配置されます。機構的洞察は、これらの効果を媒介することができるような神経性および体液性の両方の経路の例が提供される。脳腸軸障害における腸内細菌叢の役割を支持する証拠は、過敏性腸症候群、ストレス関連機能性消化管障害の臨床的関連にスポットライトを探索している。また、批判的にこの研究から生じる治療の機会を評価し、microbiomeを標的にするCNS障害の管理のための有効な戦略を表しており、このようなアプローチに固有の落とし穴を熟考する可能性があるかどうかを具体的に検討してください。待ち受けているかなりの挑戦にもかかわらず、これは研究と今後しばらくの間、焦点の中心を維持する運命にあるかのエキサイティングな領域です。


また、カナダのマックマスター大でがマウスの性格を調べる実験で、攻撃的なマウスと大人しいマウスの腸内細菌を交換すると、攻撃的だったマウスはおとなしくなり、おとなしかったマウスは噛み付くようになった。腸内細菌が動物の性格を決める可能性が高いことが分かった。さらに、Collins博士などの率いる研究チームによって、腸内細菌は宿主の成長後にも脳への影響を持ち、 それにともない宿主の行動も変化させてしまうことが分かった。彼らはまず、健康なマウスの腸内細菌を抗生物質によって減らす実験を行った。すると、腸内細菌を減らされたマウスは、用心深さが減ったり不安感が増加したりといった症状を示した。これらの症状は脳由来神経栄養因子(BDNF)という、不安やうつ病と関係のある物質の増加を伴った。そして抗生物質の投与を止めると、マウスの行動は正常に戻ることが確認された。 次に彼らは、元々消極的な行動をとっていた腸内細菌を持たないマウスに、行動的なマウスの腸内細菌を移植したところ、消極的なマウスは行動的になった。同様に、普通の行動をとる腸内細菌を持たないマウスに、消極的なマウスの腸内細菌を移植すると、普通のマウスは消極的となった。

けっこう、人間も、腹でものを考えているかもしれません

Duodenal Infusion of Donor Feces for Recurrent Clostridium difficile

Els van Nood, M.D., Anne Vrieze, M.D., Max Nieuwdorp, M.D., Ph.D., Susana Fuentes, Ph.D., Erwin G. Zoetendal, Ph.D., Willem M. de Vos, Ph.D., Caroline E. Visser, M.D., Ph.D., Ed J. Kuijper, M.D., Ph.D., Joep F.W.M. Bartelsman, M.D., Jan G.P. Tijssen, Ph.D., Peter Speelman, M.D., Ph.D., Marcel G.W. Dijkgraaf, Ph.D., and Josbert J. Keller, M.D., Ph.D.
N Engl J Med 2013; 368:407-415January 31, 2013DOI: 10.1056/NEJMoa1205037
Abstract
Article
References
Citing Articles (290)
Letters

Background

Recurrent Clostridium difficile infection is difficult to treat, and failure rates for antibiotic therapy are high. We studied the effect of duodenal infusion of donor feces in patients with recurrent C. difficile infection.

Methods

We randomly assigned patients to receive one of three therapies: an initial vancomycin regimen (500 mg orally four times per day for 4 days), followed by bowel lavage and subsequent infusion of a solution of donor feces through a nasoduodenal tube; a standard vancomycin regimen (500 mg orally four times per day for 14 days); or a standard vancomycin regimen with bowel lavage. The primary end point was the resolution of diarrhea associated with C. difficile infection without relapse after 10 weeks.

Results

The study was stopped after an interim analysis. Of 16 patients in the infusion group, 13 (81%) had resolution of C. difficile–associated diarrhea after the first infusion. The 3 remaining patients received a second infusion with feces from a different donor, with resolution in 2 patients. Resolution of C. difficile infection occurred in 4 of 13 patients (31%) receiving vancomycin alone and in 3 of 13 patients (23%) receiving vancomycin with bowel lavage (P<0.001 for both comparisons with the infusion group). No significant differences in adverse events among the three study groups were observed except for mild diarrhea and abdominal cramping in the infusion group on the infusion day. After donor-feces infusion, patients showed increased fecal bacterial diversity, similar to that in healthy donors, with an increase in Bacteroidetes species and clostridium clusters IV and XIVa and a decrease in Proteobacteria species.

Conclusions

The infusion of donor feces was significantly more effective for the treatment of recurrent C. difficile infection than the use of vancomycin. (Funded by the Netherlands Organization for Health Research and Development and the Netherlands Organization for Scientific Research; Netherlands Trial Register number, NTR1177.)

Media in This Article

Figure 1Enrollment and Outcomes.
Figure 2Rates of Cure without Relapse for Recurrent Clostridium difficile Infection.

2014年10月10日金曜日

モハちゃんお目出度う

リビアからの留学生が無事に医学博士をとり、無事、帰国しました
ぜんぜん、無事じゃないかもしれなかったのが、カダフィ政権の崩壊で、現在、政府も機能しておらず、直行の飛行機も飛んでいない
エジプトかチュニジアに飛んでから入国するしかないんだけど、そっちも革命直下
んでも、Facebookで無事帰宅メイルが来ました
良かったね。

https://www.facebook.com/photo.php?fbid=796515480371769&set=pcb.796516073705043&type=1&theater

ほっとしてたら、今日は安全衛生保障輸出管理の監査
なんで、こんなもんに、つきあわなくちゃならない
 大量の書類
モハちゃん、ただの医者なんだから、危険物なんて持ち出さないし
うちには医療機器しかありません
と、思っていたら、
超音波の部品はミサイルのナビに使えるそうです

あ〜頭来る
ちゃんとした文部省スカラーシップの留学生。
んなことはしないよ!

そもそもモハちゃんを受け入れたときは、リビアは
「スーパーセーフティ」(モハちゃん談)だったのに、
欧米で勝手に介入して危険地域にしちゃったんでしょ

大勢の監査官がいらしてあれこれ質問されたから
「最後にご意見ありますか?」と、言われたので頭に来て一言
「こ〜ゆうのは、簡略化しましょう!」

2014年9月23日火曜日

差別

私たちは、同性愛者を差別しているでしょうか?
僕らは、在日の方々を差別しているのかな?
俺たちは、白人をガイジンと呼ぶことで、別な集団に見ている?

アテネの街角を歩いていて、いろんなポスターが貼ってありますが
ちょっとびっくりしたのは、このアテネのプライド?、の、展覧会??
たぶん、同性愛のカップルが子供を持つことに対する芸術表現なのでしょうが
驚いたのは、このポスターの二人の手に、ハーケンのようなものが打ち付けられていたこと


同性愛者に反対する勢力が、ポスターに対して異議を唱えているのか?
邪推してしまって、びっくり
他に傷のないポスターもあるので、たぶんポスター本来のものではないんでしょうが
私の眼には、反対勢力のこのいたずらまでも含めて、芸術作品になっているように見えました

最近の朝日新聞批判を見て思い出してしまった

2014年9月16日火曜日

心房細動手術

ギター部の後輩が、新しい心房細動手術法を発明し、良い臨床成績を上げているのを小田倉先生の会でお聞きし、せっかくなので関連病院の研究会にお呼びしました
慢性になっちゃった心房細動に対して、胸腔鏡でちょちょっと30分で手術が終わる優れもの
いい成績を上げているようです
名前を見て、もしかして・・・と、ググってみたら、やっぱり、東北大のクラッシックギター部の1年後輩の大塚君でしたが・・・ネットで調べても一つびっくり
なんと、大塚俊哉先生、TOIECで、990点の、満点取っているそうです
これはたまげた。
医工学の学生さんは大学院入試でTOIECか、TOFELの点数を見ますが
800点を超す学生さんはあまり見ません
聞けば趣味で英語の試験を受けているそうで、同時通訳などの五冠を達成している英語チャンピオンは、10人くらいしか国内にいないそうです。
趣味ったって・・・やりすぎでしょ??






有意

高次の学生さんのパワポを眺めつつ
「ちゃんといちおう、有意差検定しておいてね」
と話をす

考えて見れば、彼らはこれから五十年以上有意差のことを考えることになるのかな
臨床医になっても、薬の有効性くらいはチェックするリテラシーが必要なので

t検定(ティーけんてい)とは、帰無仮説が正しいと仮定した場合に、統計量がt分布に従うことを利用する統計学検定法の総称である。母集団正規分布に従うと仮定するパラメトリック検定法であり、t分布が直接、もとの平均標準偏差にはよらない(ただし自由度による)ことを利用している。2組の標本について平均に有意差があるかどうかの検定などに用いられる。統計的仮説検定の一つ。
スチューデントのt検定(Student's t-test)とも呼ばれるが、これは統計学者のウィリアム・ゴセットが雇用者であるギネスビール社に本名使用を許されずStudent というペンネームで最初の論文を発表した(1908年)ためである。

2014年7月20日日曜日

日本SF大会 natsukon

いや~これまでにずいぶんいろんな学会、シンポ、特別講演にはあちこち呼ばれてきましたが、本日は、なんと「日本SF大会」に呼ばれました。

「パラサウトイブ」の瀬名秀明先生にインバイトいただいで、「人間はどこまでもサイボーグ化できるか??」と、いう話を人工臓器の私に振られましたが、大学SF研究会OBとして光栄でしたし、たいへん盛り上がりました。

こういうことから、なにか本でも出来るといいですね。
・・なぜならば、明日の医療を決定するのは。
SFを読んでいるような、ふつうの、あるいは、科学に親和性のある、皆さんだからです

医者だけで決めてもダメです
政府だけで決めてもだめです

観客のみなさ~ん!・・・・決めるのはあなたたち自身なんです
医者はガイドライン通りにやるだけです

日本人だけでもなく、たとえば、オックスフォーとケンブリッジが殴り合って、いい方向性が提案できるのなら・・・地球人類のためにはいいけど、世界の医療 現場の中で、フォーカスになる診断機器が日本のFukudaだったり世の中ですから、サイボーグや医療に関しても、日本からこそ、意見を言っていかない と、いろんなことが起こったりします

今回も、医学も人工知能も話はおもしろかったという感想多数
観客さんからも質問いっぱい来て、
いやあ~・・・・・・・・・・・・・・どうまとめましょか?
と、司会進行が困る盛会でした。

医学会と違って、ゆる~い雰囲気もいいですね

あ、
気がついたら、ショップで僕の本も並べてくれてる
・・・お恥ずかしい限りです