2008年8月4日月曜日


脈診と加速度脈波

中学校で、動きと速度、加速度について習いますね? 脈の波形についても、そんな簡単な方法でいろいろなことがわかります。AcAs.jpg
つまり、脈波の波形を一回微分すると、脈の波形の変化速度が計算できるわけです。 そして、もう一回微分すると、「加速度脈波」の波形が計算できます。
この加速度脈波は、脈の波形の変化の加速度を計算しているわけですので、力学系としての脈における様々な力学系の解析ができることになるわけです。
加速度脈波の計算のためには、指の先端に装着する光電式指尖容積脈波の計測システムなどが用いられます。
ですから、加速度脈波における最初の波のピークは、収縮初期陽性波(a波)であり、血液の駆出に伴う加速波形になります。そして収縮初期陰性波(b波)が続き、収縮中期再上昇波(c波)までで、心臓の収縮初期における脈波の形成に対応しています。AcPulwavJ72.jpg 脈波のオリジナル波形のピークは、ほぼこれに続く加速度脈波の収縮後期再下降波(d波)と一致し、これに拡張初期陽性波(e波)が、続くことになります。
このような波形解析により、脈診で感知される脈波の成因が解析できることになるわけです。
a波とb波は、収縮期前方成分に対応し血液駆出要因を示すことになり、c波とd波は、収縮期後方成分に対応して主として反射波の影響が強いわけです。
加速度脈波と収縮力・反射波
 脈波における初期の成分は当然のことながら収縮能力を反映することになります。すなわち、収縮初期の陽性波a波と、初期陰性波b波は、脈波立ち上 がりの波形成分を表しており、二回微分波形なので、陽性波+陰性波という微分後の波形になることになるわけです。脈波における駆動波形に対応し、血液循環 の大本をなす成分であり、c波とd波は、元脈波波形の収縮期の後方成分に対応し、駆動圧波形が末梢に伝播し、反射して戻ってきた反射波形を反映した成分と いうことになります。  Augmentation Indexなど、駆動圧波形と反射波波形の成分比などに依存するので、二回微分波形から得られる加速度脈波は、AIと同様に、血管トーヌスを反映すること になります。
更新日時:2008/08/04 16:43:05
キーワード:[加速度脈波] [脈診] [反射波]

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