2013年6月11日火曜日

ストレス評価システム


 東北大学のデータから、震災などのストレスに晒された人体の多面的な反応が報告され始めており、虚血発作、脳卒中など心臓血管イベントの多発はもちろん、脳神経機能そのものが、ストレスによって萎縮するなど、現在考えられている以上に、マルチモーダルな反応を呈することがわかって来た。また各国からの物心両面の支援により良い方向性へのストレスのシフトも報告されるようになり、WHOの定義に基づく健康の議論。いわゆる、医学的、経済的、社会的にだけでなく、スピリテュアルにも健康であることが重要視されるに至っている。経済産業省は、新成長戦略で医療介護サービスを重要な柱として取り上げ、厚生労働省も、がん、糖尿病、脳卒中、心筋梗塞に「精神疾患」を加え、五大疾病に対する対応を進めることを決めている。高齢化社会を迎え、これからも定量的ストレス評価のニーズは大きなものと考えられる。
 しかしながら、この方向制の方法論は未だに大変少ないと言わざるを得ない。
 本研究では、心臓病上級医として、循環器系の立場から、ストレス計測技術としての妥当性を医学的見地から検討し、定量評価の蓋然性の検討を行う

 ストレスにより疾患の発生と、癒しのヒーリング効果と、両方向の側面が考えられる。この二つの方向性に関して、心臓血管系の診断と治療の方法論を生かして研究を進める。具体的には、医学系研究科倫理委員会の審査を経て、様々なストレス映像に関する生体反応調査を試みる。
 例えば、生理的嫌悪感を覚える映像刺激や、興味深い魅力的な映像などを対象に、視覚測定技術、循環系パラメータ測定技術などを介して生体反応計測を行い、同時に、ストレス計測技術の応用を試みて、非接触型測定装置などの開発も計画に入れる。計画後は企業化ベースで、様々な展開が試みられる予定である
 現在までの研究では、映像ストレス負荷を施行するにより、人体の体調により、血圧反射の回帰直線により定量診断できる自律神経の感受性などの差異が観測されており、人体のストレス感受性や体調、心血管イベントの予測などの成果が期待できることになるので、予防医療の観点からも期待が大きく、また映像刺激の生体反応評価も具現化することになる。

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