ノンカロリー人工甘味料 (NAS)は、高カロリー食品である砂糖を用いずに食品に甘味を加える手段として100年以上前に開発された。NAS摂取によってカロリー摂取を減らすことにより、体重減少と血糖値の正常化という健康上の有用性がもたらされると考えられている。砂糖を使わないカロリーオフの清涼飲料水やシリアル、デザートなどでよく用いられ、肥満者および耐糖能障害、2型糖尿病患者には推奨されることもある。しかし、NASは血糖を上昇させないという有用性を示す研究結果がある一方で、NASは体重を増加させ2型糖尿病のリスクを増加させるという有害性を示す結果も報告されてきた。このように相反する結果が報告されてきたことには、すでにメタボリックシンドロームを持つ患者がNASを多く摂取しているという背景もある。このような議論があるにもかかわらず、アメリカ食品医薬品局 (FDA)は現在、アメリカ合衆国において6種類の人工甘味料製品の使用を承認している。
多くのNASは摂取後分解されることなく消化管を通過し、腸内細菌叢に直接作用する。腸内細菌叢は健常人と肥満者、糖尿病患者では組成や機能が異なり、逆に腸内細菌叢の違いがメタボリックシンドロームに関連することが分かっている。そこで本研究では、NASが腸内細菌叢の組成や機能を変化させて宿主の耐糖能に影響するかを検討した。
長期のNAS摂取は耐糖能異常を起こすNASの糖代謝に対する影響を検討するため、10週齢のC57 Bl/6マウスの飲み水にサッカリン、スクラロース、アスパルテームを含有する市販の人工甘味料を添加して摂取させる実験を行った。これら3種類のNASは、約5%の人工甘味料と約95%のグルコースからなるものである。対照群には水のみ、水にグルコース、水にショ糖(sucrose)を混ぜたものを摂取させた。人工甘味料の商品名はそれぞれ、「Sucrazit」 (5% サッカリンと95% グルコース)、「Sucralite」 (5% スクラロース含有)、「Sweet’n Low Gold」 (4% アスパルテーム含有)であり、いずれも10%溶液として水に混ぜたものを摂取させた。対照群には水、10%グルコースまたは10%ショ糖の溶液を摂取させた。
摂取開始11週目には、水、グルコース、ショ糖を摂取させたマウスは同様の耐糖能曲線を示したのに対し、上記3種類のNASを摂取したマウスは著明な耐糖能異常を示した
2014年11月17日月曜日
2014年11月14日金曜日
EVIジャパン発進 = 日本の人工心臓を海外へ
残念ながら、日本の人工心臓は、アメリカでは使われておりません
性能はいいんですけどね・・・
そこで、
2014/11/11
EVAHEART Inc ジャパンのキックオフミーティングが開催されました
両脇の日米両国の国旗がお茶目です
このような日本の人工心臓技術を、アメリカにも展開するべく、テキサスのメソジスト病院心臓外科の本村先生が中心となり、海外展開のベンチャー企業が福島駅のすぐ駅前に設置されました
東北大では、すでに臨床で患者さんに使われている植え込み型人工心臓EVAHEARTの世界記録を超える長期耐久性試験や、小型化実験、慢性耐久性試験を担当しています。
最近では、EVAHEARTの小型化や、小型駆動装置の具現化にも成功しています
また、 この福島駅前の近所には、心臓バイパス手術のトレーニングシステムで有名な、 EBM ( Engineering Based Medicine) の新しい施設も、設置される予定です
EBMとは、
Evidence baseではなく Engineer baseを意味する、早稲田大学の梅津教授の造語です
科学的に正しい工学ベースな医学研究開発を目指しているわけです
いや~最近の福島の勢いは、恐るべしだなあ・・・
私は、父が野兎病で有名な大原病院だったので幼稚園まで、福島駅前にすんでいましたが、ここが、医療産業の中心地になるとは感慨無量です
近日中に日本の人工心臓がアメリカに殴り込むニュースが期待されます
性能はいいんですけどね・・・
そこで、
2014/11/11
EVAHEART Inc ジャパンのキックオフミーティングが開催されました
両脇の日米両国の国旗がお茶目です
このような日本の人工心臓技術を、アメリカにも展開するべく、テキサスのメソジスト病院心臓外科の本村先生が中心となり、海外展開のベンチャー企業が福島駅のすぐ駅前に設置されました
東北大では、すでに臨床で患者さんに使われている植え込み型人工心臓EVAHEARTの世界記録を超える長期耐久性試験や、小型化実験、慢性耐久性試験を担当しています。
最近では、EVAHEARTの小型化や、小型駆動装置の具現化にも成功しています
また、 この福島駅前の近所には、心臓バイパス手術のトレーニングシステムで有名な、 EBM ( Engineering Based Medicine) の新しい施設も、設置される予定です
EBMとは、
Evidence baseではなく Engineer baseを意味する、早稲田大学の梅津教授の造語です
科学的に正しい工学ベースな医学研究開発を目指しているわけです
いや~最近の福島の勢いは、恐るべしだなあ・・・
私は、父が野兎病で有名な大原病院だったので幼稚園まで、福島駅前にすんでいましたが、ここが、医療産業の中心地になるとは感慨無量です
近日中に日本の人工心臓がアメリカに殴り込むニュースが期待されます
2014年11月13日木曜日
東北大の動物実験からベンチャー発進
加齢医学研究所は全国共同研究拠点なので、全国各地の医工学の学生さんが見学に、勉強に、実験に、研究に、来ます
開心手術、開腹手術のシミュレーションも可能なので、例えば、三次元画像解析技術を応用して、ビデオカメラ二台で、Z方向の距離までリアルタイム推定、三次元情報解析し、心臓や、血管の、動きの、実時間モニタリング解析なども可能になるので、この手法を考案した早稲田大学大学院の植松さんは、日本医工学シンポジウムの、ベストリサーチアワードなど受賞しています
ホントにベストリサーチでした
さらにこの方法を使うと、冠動脈バイパス手術の時に使うスタビライザーなどの性能評価にも直結します。
つまり、冠動脈を縫っているときに、あんまり動いては縫いにくいので、冠動脈の動きを少なくする道具は、性能が良ければ定量的に評価できるわけです
逆に、この動きを、外科医の訓練システムに結実させようというアイデアも生まれました
実験の時、手伝ってくれた、まだ学生さんだった朴君は、三次元データを基に、なんと、福島復興景気に乗って、ベンチャー企業と立ち上げ、商品化に成功しました
冠動脈手術訓練システム=通称「ビート君」です
http://ebm.vc/products/youcan_beat.html#beat
実験室から、製品になっていくデータが出ていくことは、大変うれしいことです
共同研究者だった、当時は大学院生だった朴君は、いまやベンチャーの社長さん!
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsmbe/43/4/43_4_653/_article/-char/ja/
頑張ってほしいものです
全然、自分で言ったことを覚えていなかったのですが、
僕が助教授の時に
朴君を案内しながら
「ここでは、どんな人工臓器でもできるし、どんな実験でもできるから、思い切り研究をエンジョイしてください」と、言ったんだそうです(・・・私も若かったなあ)
でも、知らない間に、若い樹が育って、成果は出ているんですね
開心手術、開腹手術のシミュレーションも可能なので、例えば、三次元画像解析技術を応用して、ビデオカメラ二台で、Z方向の距離までリアルタイム推定、三次元情報解析し、心臓や、血管の、動きの、実時間モニタリング解析なども可能になるので、この手法を考案した早稲田大学大学院の植松さんは、日本医工学シンポジウムの、ベストリサーチアワードなど受賞しています
ホントにベストリサーチでした
さらにこの方法を使うと、冠動脈バイパス手術の時に使うスタビライザーなどの性能評価にも直結します。
つまり、冠動脈を縫っているときに、あんまり動いては縫いにくいので、冠動脈の動きを少なくする道具は、性能が良ければ定量的に評価できるわけです
逆に、この動きを、外科医の訓練システムに結実させようというアイデアも生まれました
実験の時、手伝ってくれた、まだ学生さんだった朴君は、三次元データを基に、なんと、福島復興景気に乗って、ベンチャー企業と立ち上げ、商品化に成功しました
冠動脈手術訓練システム=通称「ビート君」です
http://ebm.vc/products/youcan_beat.html#beat
実験室から、製品になっていくデータが出ていくことは、大変うれしいことです
共同研究者だった、当時は大学院生だった朴君は、いまやベンチャーの社長さん!
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsmbe/43/4/43_4_653/_article/-char/ja/
頑張ってほしいものです
全然、自分で言ったことを覚えていなかったのですが、
僕が助教授の時に
朴君を案内しながら
「ここでは、どんな人工臓器でもできるし、どんな実験でもできるから、思い切り研究をエンジョイしてください」と、言ったんだそうです(・・・私も若かったなあ)
でも、知らない間に、若い樹が育って、成果は出ているんですね
2014年11月6日木曜日
僕らのころにも、こうやって公的なシステムで採用してほしかったなあ
豆乳は、蛋白で勝って、カルシウムで負けるのね?
ただし、牛乳に含まれる乳糖は、ラクターゼという分解酵素によって分解されるのに、このラク
ターゼが離乳期以降は分泌されなくなるので、乳類に
含まれているカルシウムが吸収できないだけでなく、他の食品から摂取したカルシウムを体外へ排せつしてしまうという報告が1960年代にあります

骨を強くしようとして飲んだ牛乳が逆効果になる可能性があり、これには牛乳に多く含まれているリンが深くかかわっており、リンは食品の酸性度を示す指標になっているくらいですから、アルカリの指標となっているカルシウムを奪い骨を弱めることになるわけです
リンは豆乳のほうが少ないようですね。鉄は豆乳の方が多い。

骨を強くしようとして飲んだ牛乳が逆効果になる可能性があり、これには牛乳に多く含まれているリンが深くかかわっており、リンは食品の酸性度を示す指標になっているくらいですから、アルカリの指標となっているカルシウムを奪い骨を弱めることになるわけです
リンは豆乳のほうが少ないようですね。鉄は豆乳の方が多い。
成分無調整豆乳 | 普通牛乳 | |
エネルギー | 46kcal | 67kcal |
たんぱく質 | 3.6g | 3.3g |
脂質 | 2.0g | 3.8g |
ビタミンK | 4ug | 2ug |
葉酸 | 28ug | 5ug |
カリウム | 190mg | 150mg |
カルシウム | 15mg | 110mg |
リン | 49mg | 93mg |
マグネシウム | 25mg | 10mg |
2014年11月4日火曜日
ファビピラビルという薬
Antiviral research誌
Successful treatment of advanced Ebola virus infection with T-705 (favipiravir) in a small animal model
Highlights
• T-705 suppressed replication of Zaire EBOV by 4 log units in cell culture.
• Mice lacking the type I interferon receptor (IFNAR−/−) were used as in vivo model.
• In this model, T-705 administration prevented a lethal outcome.
• Treatment was effective even if initiated at day 6 post infection.
Abstract
Outbreaks of Ebola hemorrhagic fever in sub-Saharan Africa are associated with case fatality rates of up to 90%. Currently, neither a vaccine nor an effective antiviral treatment is available for use in humans. Here, we evaluated the efficacy of the pyrazinecarboxamide derivative T-705 (favipiravir) against Zaire Ebola virus (EBOV) in vitro and in vivo. T-705 suppressed replication of Zaire EBOV in cell culture by 4 log units with an IC90 of 110 μM. Mice lacking the type I interferon receptor (IFNAR−/−) were used as in vivo model for Zaire EBOV-induced disease. Initiation of T-705 administration at day 6 post infection induced rapid virus clearance, reduced biochemical parameters of disease severity, and prevented a lethal outcome in 100% of the animals. The findings suggest that T-705 is a candidate for treatment of Ebola hemorrhagic fever.
Keyword Ebolavirus; Mouse model; Antiviral testing
小動物モデルにおけるT-705(favipiravir)による高度なエボラウイルス感染の治療の成功
ハイライト T-705は、細胞培養における4対数単位ザイールEBOVの複製を抑制した。
• インターフェロン受容体をタイプを欠くマウスがモデルとして使用された
• このモデルでは、T-705投与は致死的な結果を防止した。
• 感染後6日目で開始した場合でも治療が有効であった。
要項:
サハラ以南のアフリカでエボラ出血熱の流行は、最大90%の致死率と関連している。
現在、効果的な抗ウイルス治療ワクチンのいずれも、ヒトでの使用に利用可能です。
ここでは、in vitro および in vivoで ザイールエボラウイルス(EBOV)に対するピラジンカルボキサミド誘導体をT-705(favipiravir)の有効性を評価した。
細胞培養におけるザイールEBOVに対し、110μMのIC90を持つ4対数単位によるT-705は抑制効果を示した。
インターフェロン受容体を欠損したマウス(IFNARを - / - )が、ザイールEBOV誘発性疾患のための、in vivoモデルとして、使用された。
感染後6日目、T-705の投与開始は、迅速なウイルスクリアランスをもたらし、疾患の重症度の生化学的パラメータを減少させ、そして100%の動物に致死成果を防いだ。
この結果は、T-705がエボラ出血熱の治療のための候補であることを示唆している。
キーワード エボラウイルス。 マウスモデル。 抗ウイルステスト
Successful treatment of advanced Ebola virus infection with T-705 (favipiravir) in a small animal model
Highlights
• T-705 suppressed replication of Zaire EBOV by 4 log units in cell culture.
• Mice lacking the type I interferon receptor (IFNAR−/−) were used as in vivo model.
• In this model, T-705 administration prevented a lethal outcome.
• Treatment was effective even if initiated at day 6 post infection.
Abstract
Outbreaks of Ebola hemorrhagic fever in sub-Saharan Africa are associated with case fatality rates of up to 90%. Currently, neither a vaccine nor an effective antiviral treatment is available for use in humans. Here, we evaluated the efficacy of the pyrazinecarboxamide derivative T-705 (favipiravir) against Zaire Ebola virus (EBOV) in vitro and in vivo. T-705 suppressed replication of Zaire EBOV in cell culture by 4 log units with an IC90 of 110 μM. Mice lacking the type I interferon receptor (IFNAR−/−) were used as in vivo model for Zaire EBOV-induced disease. Initiation of T-705 administration at day 6 post infection induced rapid virus clearance, reduced biochemical parameters of disease severity, and prevented a lethal outcome in 100% of the animals. The findings suggest that T-705 is a candidate for treatment of Ebola hemorrhagic fever.
Keyword Ebolavirus; Mouse model; Antiviral testing
小動物モデルにおけるT-705(favipiravir)による高度なエボラウイルス感染の治療の成功
ハイライト T-705は、細胞培養における4対数単位ザイールEBOVの複製を抑制した。
• インターフェロン受容体をタイプを欠くマウスがモデルとして使用された
• このモデルでは、T-705投与は致死的な結果を防止した。
• 感染後6日目で開始した場合でも治療が有効であった。
要項:
サハラ以南のアフリカでエボラ出血熱の流行は、最大90%の致死率と関連している。
現在、効果的な抗ウイルス治療ワクチンのいずれも、ヒトでの使用に利用可能です。
ここでは、in vitro および in vivoで ザイールエボラウイルス(EBOV)に対するピラジンカルボキサミド誘導体をT-705(favipiravir)の有効性を評価した。
細胞培養におけるザイールEBOVに対し、110μMのIC90を持つ4対数単位によるT-705は抑制効果を示した。
インターフェロン受容体を欠損したマウス(IFNARを - / - )が、ザイールEBOV誘発性疾患のための、in vivoモデルとして、使用された。
感染後6日目、T-705の投与開始は、迅速なウイルスクリアランスをもたらし、疾患の重症度の生化学的パラメータを減少させ、そして100%の動物に致死成果を防いだ。
この結果は、T-705がエボラ出血熱の治療のための候補であることを示唆している。
キーワード エボラウイルス。 マウスモデル。 抗ウイルステスト
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