2014年11月19日水曜日

デキストリン

経腸栄養療法にともなう便回数の増加に対するデンプン・デキストリン投与の有用性
r:小坂 正(兵庫医科大学 消化器内科), 田中 淳二, 富田 寿彦, 堀 和敏, 福田 能啓, 田村 和民, 下山 孝: 静脈経腸栄養 (1344-4980)16巻4号 Page91-94(2001.10)
Abstract:デンプン・デキストリンを在宅成分栄養療法を施行中で1日便回数が6行以上のクローン病15症例に投与した.その結果,15例中10例で便回数の改善がみられ,トロメリンを付加した経腸栄養療法は,便回数の改善に有用である可能性が示唆された.デンプンの増粘性を利用した方法は,便回数の改善をはかるものとして,クローン病のみならず在宅経腸栄養施行者にも応用可能な手技として有用である可能性が示唆された.腸内細菌叢をはじめとする腸管内腔相の変化が関与している可能性もある



難消化性デキストリンは、水分を抱えこみ保持する性質があるため、便のやわらかさを保ち、便量を増やし、便の通過時間を短縮させる作用があります。また、腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)を改善するなど、整腸作用と関わりのある生理作用が多く見いだされています。過去のヒト試験では、難消化性デキストリン摂取により糞便量および排便回数の増加が認められたと報告されています。難消化性デキストリンを1日5gまたは10g摂取することで、排便回数と糞便量が増加し、便の性状と排便後の感覚が良好になったという結果が得られています。(難消化性デキストリンのヒト便通に及ぼす影響。栄養学雑誌 Vol.51 No.1 P31-37 1993)


難 消 化性 デキス トリンはラ ットにおいて糞便へ の胆 汁酸排 泄 を促 す こ とが報 告 され
て いる。さ らに大腸 において腸 内細 菌 に よ り代 謝 され,プ ロ ピオ ン酸等 の短鎖脂肪 酸 を生成 す る。プロ ピオ ン酸 は静脈内投与 や腹腔 内投与 に よ り血清総 コ レステロール を低下 させ る効果 が報告 され ている。(Kishimoto Y, Wakabayashi S, Takeda H (1995)
Hypocholesterolemic effect of dietary fiber; Relation to intestinal fermentation and bile acid excre-
tion. J Nutr Sci Vitaminol 41: 151-161)

0 件のコメント:

コメントを投稿